大腸内視鏡検査の準備で
何度もお尻を拭いていると、痛くなって
しまいます。痛みを最小限に
する対処法はありますか??
 ズバリあります!

 よくある話です。その直後に内視鏡を挿入しなければならないのですから、検査前からお尻が痛くなってしまったのでは、たまったものでありません。しかし、せっかく大量の下剤を飲んで、便を出して、検査をキャンセルする訳にもいかず、結局お尻の痛いまま検査を受けざるを得なくなります。

 たまに、「今日の検査はつらかったですか?大丈夫でしたか?」と聞くと、「お腹は全然大丈夫だったんですけど、お尻が痛くて大変でした・・・」と言う方がいます。これまで、このホームページで皆様に訴えている「痛みの少ない大腸内視鏡検査を提供する」という「痛み」というのは、「内視鏡の挿入技術によって大きく差が出る腹痛」であって、「内視鏡の挿入前の段階で既に痛くなってしまった肛門に異物を挿入する事によって生じる「肛門痛」の話をしているのではありません

 せっかく、腹痛の少ない検査が提供できても、お尻が痛かったのでは、結果的に「楽な検査が提供出来ていない」という事になります。どんな経験豊富な医師が検査をしても、その痛い肛門から内視鏡を挿入しなければならないのですから、痛み(肛門痛)は回避のしようがありません。どんな名医であっても、胃カメラを口から入れれば、多かれ少なかれ「おえっ!」ってなるのは避けられないのと同じです。

 そして、そのような経験をした人が、もし大腸内視鏡検査の感想を第三者に語る時に「痛い検査だった」と言ってしまうと、聞く方は、お腹の痛みを聞いているに、本人は肛門痛が辛かったために「痛くて辛い検査だった」などと言うかもしれません。結局のところ、正確な情報が伝わらず、「やっぱり大腸内視鏡検査は大変な検査なんだな」と思われてしまうでしょう。


 さて、本題に入ります。

 どうすれば、大量の下剤を飲んで、何度も排泄しなれければならないのに、お尻を痛くしなようにキープできるのでしょうか。

 拭くから痛くなる。つまり、肛門上皮はデリケートな部位なので、拭く事による繰り返される「摩擦」によって、痛みが次第に強くなるのです。勿論、拭かなければならば、痛くならないのです。でも拭かない訳にはいきません。ならば、拭く回数を極力減らす事が必要になります。どうすれば、減らせるのでしょうか。

 下剤を飲み始めて排便が始まるまでには個人差がありますが、最初のうちは、便意を感じて出して、便意が治まったところで、いちいち丁寧に拭かずに、シャワートイレを使って、表面を洗い流し、最後に残った水分を「当て拭き」だけして終了です。入念に拭いたことろで、また数分後に便意が来ますので、一生懸命拭いても意味がありません。

 これを数回繰り返していると、便意の発生頻度が次第に短くなってきます。こうなると、いちいちシャワーで洗浄する事すら面倒になってきます。これからが、最も大切なところです。

 便意の襲来には「ピーク」があります。分かり易くいえば、「台風の通過」のように、次第に雨・風が強くなり、ピークを迎えて次第に弱くなるように、便意も同様に、ピークが来て、いずれ無くなります。

 そして、便意の間隔が短く(ピーク)になってきたらどうするか!?  →  「トイレにこもる!!」のです。

 え!?2時間かけて飲まないといけないと言われた下剤が、まだ飲み干していないんですけど!?
  →ならば、下剤と一緒にトイレにこもりましょう。ついでに、携帯、読みかけの本、雑誌、あるいは、その日の新聞と一緒にこもりましょう!

 つまり、「下剤」と「暇つぶし」を持ってトイレに座りっきりです。数分間隔で訪れる便意は、それに従い、出すものを出して、いちいち拭かずに、「川の流れのように」、出るが出るまま、いわゆる「放置」です。

 そして、まだ残っている下剤があるのなら、「トイレで一杯やる」のです。飲み切ってしばらくすれば、台風が通過していくように、便意も静かになっていきますので、ピークが過ぎたら、またシャワートイレでの洗浄に切り替えて、当て拭きで終了してトイレから出てくればいいのです。その後も数回は便意があるかもしれませんが、それまで拭いた回数が少ないので、激しくお尻が痛くなる状況からは回避できている可能性は高いと思います。

 ここで気にしておいた方が良いことがあります。それは、「排便の回数」です。前処置が終わって病院に行くと、「何回トイレに行きましたか?」と看護師から聞かれます。つまり、聞く側としては、十分にキレイになったかな?という事を確認したいので聞くのです。

 「10回行きました」と言えば十分な数ですが、ここで説明したように、ピークにトイレにこもってしまうと、本来排便回数が最も多い時間帯が「1」にカウントされてしまいますので、そこは頭を柔軟にして、「1」と数えず、こもっている間に、まぁまぁな量が出た回数「1」としてカウントして下さい。

 また、数十分というある意味長時間便座に座っていると、平たんな椅子に座っているのとは違いますので、太ももの内側の一か所に体重がかかるために、血管や神経が圧迫されて、足がしびれてくることがありますので、時々座る位置を少し動かしながら、しびれが来ないように調節する必要が時にあります。しびれが来ないように、圧迫部位を動かしながら工夫してみて下さい。
 さて、こうすれば、肛門痛で悩まされた大腸内視鏡検査ともお別れです。さらに「気軽に受けられる大腸内視鏡検査」が現実のものとなるのです。ですから、トイレに持っていく物が増えるので、小物が置けるような場所があればいいですが、無ければ小さなテーブルなども必要になりますし、また、寒い時期などは、トイレに持ち込み可能な小さな暖房機などもあるといいと思います。

 もし、下剤を飲む前にこの文章を読んだ方は、用意周到に、万全に状況を整えて、腸洗浄の快適空間を作ってからから飲むと、よりハードルの低い大腸内視鏡検査が受けられると思います。

 是非、痛くなってしまった経験をお持ちの方は、次回の検査のとき、このような方法でトライしてみて下さい。

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